英俳優ベン・ウィショー(Ben Whishaw)さんに関するブログ

2013年04月19日

「クラウド アトラス」フロビシャー編撮影地の話など(すこしねたばれ)



「クラウド アトラス」1936年スコットランド編で、ベン・ウィショー演じるロバート・フロビシャーが採譜者として赴くビビアン・エアズの邸宅として登場するのは、グラスゴー付近にある「オバートウン・ハウス(Overtoun House)」。実はこの家は、1936年だけでなく、2012年カヴェンディッシュ編の「オーロラ荘」として細部を変えて再登場する。どこが変わっているかも見どころのひとつ。一番おおきいのはガラス張りのサンルームがついたところかな。



http://overtounhouse.com/
公式サイト

http://t.co/fKqvtLEFtZ
地図リンク

 所在地はグラスゴーから車で30分ぐらい北西に行ったウェスト・ダムバートンシャーというところ。

http://overtounhouse.com/cloud-atlas
公式同サイト内の「クラウド アトラス」特設ページ

 撮影は2011年の9月から10月にかけておこなわれた。サイト内のページで撮影中のようすを記録した写真が見られる。imdbによると、映画の撮影に利用されたことは以前にも何度かあるようだ。

「オバートウン・ハウス」は成功した法律家ジェームズ・ホワイトの邸宅として建てられ1864年に完成。このひとはのちに爵位を授けられてオバートウン卿となる。かたちとしてはヴィクトリア女王のスコットランドの離宮バルモラル城を手本にしているそう。つまり非常に19世紀スコットランドらしい建物ということ。第一次世界大戦中は傷痍軍人の療養施設として使われ、1939年に地域当局に寄贈され、病院に転用。現在ではキリスト教団体(バプテスト)が修復、管理をおこなっている。

http://en.wikipedia.org/wiki/Scottish_Baronial_architecture

 建築様式は「スコティッシュ・バロニアル」。16世紀に発し、スコットランドらしい中世の城とフランスルネサンスのシャトーを融合させたもの、ということになるようだ。

http://en.wikipedia.org/wiki/File:Victorian_Scottish_baronial-style_tenement_turrets,_St._Mary%27s_Street,_Edinburgh.jpg

 特徴は尖塔や狭間胸壁。とんがった塔やぎざぎざの角、つまり「古風なお城」っぽいディテールを持たせた19世紀の建物ということ。ヴィクトリアン・ゴシックへの影響の波及もある。ふむふむ。なるほど、イングランドで一般的な邸宅のかたちとはずいぶん違うなあと思ってたけど、中世とフランス文化の融合、つまりスコットランドの歴史の独自性が建物に現れているんだね。

 手づくりスコーンを食べられるティールームは金・土のみオープン。そしてなんとB&Bもやっていて泊まることもできるらしい。泊まれちゃうのか! 値段もロンドンのホテルや高級カントリーハウスホテルなんかと比べたらまあまあお手ごろ。

 六月にスコットランド旅行をする予定なんだけど、ティールームのオープン日に予定が合わないため、メールで相談してみたら、別日に中を見学させていただけることになった。楽しみ。……ことしの初夏の渡英予定がどんどんミーハー聖地巡礼旅行じみてきたぞ……(笑)
posted by rico at 09:36| Comment(0) | 撮影地の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月02日

「クラウド アトラス」スコット記念碑の撮影風景など(2011/09/22)


エディンバラにて、「クラウド アトラス」ウィショー君演じるロバート・フロビシャーのパートを撮影中のSTV(民放ITV系列のスコットランドのTV局)によるニュース映像(2011/09/22アップ)。ただし衣装をつけてちょうど撮られてるのはルーファス・シックススミス役ジェイムズ・ダーシーさん。(うううこのシーン思い出すと胸が震える……)

 撮影のロケーションはエディンバラのスコット記念塔。スコットランドの国民的作家ウォルター・スコット(1771-1832)のための記念碑。高さはおよそ61メートル、一般見学者は287段の階段をのぼることができる。撮影は報道映像のとおりクレーンを使って行った模様。

 様式はいわゆるヴィクトリアン・ゴシック。所在地は新市街。ボーダーズ地方のメルローズ修道院(残存部分は14世紀)とミドロジアンのロスリン・チャペル(15世紀)を参考にして、1840年に建てられた。つまり、歴史的経緯でいうと、古い建築様式を模してはいるものの、実際には作中で描かれる年代の1936年からは百年以内の、まあまあ新しめの建物といってよさそう。

 ヴィクトリアン・ゴシックは時代につれ毀誉褒貶で、装飾過剰だとして嫌う人もいて、たとえば同時代人のチャールズ・ディケンズなんかはこの塔を「気の毒だが失敗作」と断じたらしい。わたしは最近惹かれます。なんというか、フェイク感に19世紀のひとの業とか憧れが感じられて。

 足元の建物は時代遅れのノスタルジーに満ちて異形。しかしそこから見える景色はたくまぬ自然の美しさをたたえている。いや、監督の意図はわからないけど(たまたま許可がとれたから選んだだけかもしれないし)、建物の来歴からはそんな印象を受けた。勝手な感想です。

130302.jpg

「行ってみたいなあ」なんて思っていたら、すでにだいぶ近くまでは行っていたことが発覚(笑)2007年にエディンバラへ旅行したとき撮った写真がHDの奥底から出てきた。

13030201.jpg

 かなり街の中心部の公園に建っている。人通りは多く、よくあんなところで映画の撮影なんてできたなあ、という感じ。もちろん287段の階段はのぼっていないので、次に訪れたらぜひ上まで行ってフロビシャー&シックススミスごっこをしたい。
posted by rico at 21:12| Comment(0) | 撮影地の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする